マチのチカラ
今日のニュースで、ちょっと気になって目に留まったものがありました。
●横浜市、47年ぶり不交付団体に 普通交付税算定額発表
−2008年8月15日 11時41分 asahi.com (朝日新聞)
総務省がこの日発表した、各地方自治体に配分する2008年度の普通交付税算定額についてのニュース。
普通交付税は地方交付税制度の核とも言える部分で、全国の都道府県や市町村(特別区を含む)に対して、決められた算定方法によって導かれた額が国庫から交付されます。
ただし、この制度は地方自治の財政均衡化などが目的のため、算定結果によって"豊かな財政状況にある自治体"と判断されれば交付されません。逆に"厳しい財政状況にある"となれば交付されます。
その算定は毎年行なわれますので、自治体の財政状況が変化するに従って、交付団体と不交付団体も変化します。
さて、今回は横浜市などが不交付団体になると発表されました。つまり財政が健全化されたことの証でもあるわけです。
確かに横浜市の場合は2008年8月1日と一年前を比べても人口が2.2万人ほど増加しており、個人住民税や固定資産税の収入が増えたという発表内容を裏付けています。
中田宏 市長は全国的にも注目される政策を推し進めるなどしており、日産自動車が来年には本社を「横浜みなとみらい21地区」に移転するなど、更なる財政の健全化が期待されます。
一方で残念ながら交付団体になってしまった自治体も全国で15あるのですが、その中でちょっと気になったのが山口県・和木町。
失礼ながら初めて耳にする地名、今回の発表で交付団体になるということは、それまでは不交付団体だったのですから財政事情が良かったということです。
その理由が気になって調べてみると、人口6,675人の小さな町でありながら、幼稚園・小学校・中学校の給食が無料という驚くべき政策が実行されています。
さらに幼稚園の保育料は月額5千円で3歳児保育も実施しており、遠距離向けの無料送迎バスも運行。
留守家庭の小学生は放課後預かってくれるそうですし、中学生はオーストラリアへのホームステイを行なっており費用の半額を町が負担してくれます。
さらに上水道・簡易水道の普及率が100%、下水道普及率も99.5%という充実ぶり。
山口県の東端にある小さな町は、想像以上に住民サービスの手厚い、財政事情に恵まれた自治体であるようです。
しかし面積は10平方キロメートルほどの小ささ。東京都・港区の半分ほどしかありません。
ところが沿岸部に「新日本石油・麻里布製油所」と「三井化学・岩国大竹工場」が立地、内陸部にも「日本大昭和板紙・和木事業所」といった工場が操業しています。
これら法人からの税収が、豊かな財政事情を支えていたのでしょうが、昨今の原油価格高騰などによる業績の悪化を受けて税収も伸び悩み、その結果として和木町も交付団体に転じたということのようです。
しかしこうした大企業を誘致していることは自治体にとって大きな強み。財政面の安定税収はもちろん、居住人口や就職先の確保などにつながるだけに、自治体が如何に自らの地を企業にアピールできるかは将来的な生き残りにもつながる重要な項目になるでしょう。
さて、この他の不交付団体を見ると、和木町のように大手企業の進出が果たされた自治体がやはり多数を占めています。
自動車関連で言えばトヨタ自動車や三菱自動車工業の関連企業が多い愛知県の市町村は多くが不交付団体ですし、愛知県そのものも東京都とともに都道府県ではふたつだけの不交付団体です。
マツダが本社を構える府中町は広島県で唯一の不交付団体。
日産自動車は本社は東京の銀座ですが、栃木工場がある栃木県の上三川町、九州工場がある福岡県の苅田町がともに不交付団体です。
本田技研工業の関連では製作所がある埼玉県・狭山市、三重県・鈴鹿市、栃木県・真岡市、熊本県・大津町が不交付団体。
特に大津町は県内唯一の不交付団体ですし、町の公式サイトに本田技研工業の広告バナーが置かれているなど深いつながりを感じさせます。
なお、同社製作所がある中では唯一、静岡県・浜松市のみが交付団体となっていますが、公共工事などが要因となって余り財政事情は良くないようです。
さて、このように自動車などの工場や製作所といった企業誘致によって財政が潤っている自治体がある一方で、別のものを誘致して財政が潤っているところも全国には多数あります。

北海道で唯一の不交付団体である泊村をはじめ、青森県の六ヶ所村や東通村、宮城県・女川町、福島県では大熊町などの4町村。
日本海側では新潟県の刈羽村や聖籠町、福井県の敦賀市とおおい町。
九州に入ると、佐賀県・玄海町、宮崎県・木城町といった自治体です。
これらは発電所を有しており、原子力や火力、水力発電所を抱えていることから国からの「電源地域振興促進事業費補助金」をはじめ、電力会社からも含めて様々な形での予算支援が行なわれます。
これにより財政が潤い、不交付団体でいられるというものです。
ただし、今回の発表では石川県・志賀町と福井県・高浜町は、ともに町内に原子力発電所を有していますが、交付団体に転じてしまいました。
また、他にもいくつかの原子力発電所を抱える自治体が、交付団体に名を連ねています。
これまで原子力をはじめとして多くの発電施設を有する自治体を実際に訪れてきましたが、これら受け入れを決めた自治体があるから都市部をはじめ全国に安定した電気の供給が行なわれています。
各自治体の財政健全化に向けた努力は絶対に必要という前提の上で、やむを得ない事情などで発電所を擁する自治体の財政が悪化したのであれば、特に手厚い支援があって然るべきではないかという思いもしています。
●横浜市、47年ぶり不交付団体に 普通交付税算定額発表
−2008年8月15日 11時41分 asahi.com (朝日新聞)
総務省がこの日発表した、各地方自治体に配分する2008年度の普通交付税算定額についてのニュース。
普通交付税は地方交付税制度の核とも言える部分で、全国の都道府県や市町村(特別区を含む)に対して、決められた算定方法によって導かれた額が国庫から交付されます。
ただし、この制度は地方自治の財政均衡化などが目的のため、算定結果によって"豊かな財政状況にある自治体"と判断されれば交付されません。逆に"厳しい財政状況にある"となれば交付されます。
その算定は毎年行なわれますので、自治体の財政状況が変化するに従って、交付団体と不交付団体も変化します。
さて、今回は横浜市などが不交付団体になると発表されました。つまり財政が健全化されたことの証でもあるわけです。
確かに横浜市の場合は2008年8月1日と一年前を比べても人口が2.2万人ほど増加しており、個人住民税や固定資産税の収入が増えたという発表内容を裏付けています。
中田宏 市長は全国的にも注目される政策を推し進めるなどしており、日産自動車が来年には本社を「横浜みなとみらい21地区」に移転するなど、更なる財政の健全化が期待されます。
一方で残念ながら交付団体になってしまった自治体も全国で15あるのですが、その中でちょっと気になったのが山口県・和木町。
失礼ながら初めて耳にする地名、今回の発表で交付団体になるということは、それまでは不交付団体だったのですから財政事情が良かったということです。
その理由が気になって調べてみると、人口6,675人の小さな町でありながら、幼稚園・小学校・中学校の給食が無料という驚くべき政策が実行されています。
さらに幼稚園の保育料は月額5千円で3歳児保育も実施しており、遠距離向けの無料送迎バスも運行。
留守家庭の小学生は放課後預かってくれるそうですし、中学生はオーストラリアへのホームステイを行なっており費用の半額を町が負担してくれます。
さらに上水道・簡易水道の普及率が100%、下水道普及率も99.5%という充実ぶり。
山口県の東端にある小さな町は、想像以上に住民サービスの手厚い、財政事情に恵まれた自治体であるようです。
しかし面積は10平方キロメートルほどの小ささ。東京都・港区の半分ほどしかありません。
ところが沿岸部に「新日本石油・麻里布製油所」と「三井化学・岩国大竹工場」が立地、内陸部にも「日本大昭和板紙・和木事業所」といった工場が操業しています。
これら法人からの税収が、豊かな財政事情を支えていたのでしょうが、昨今の原油価格高騰などによる業績の悪化を受けて税収も伸び悩み、その結果として和木町も交付団体に転じたということのようです。
しかしこうした大企業を誘致していることは自治体にとって大きな強み。財政面の安定税収はもちろん、居住人口や就職先の確保などにつながるだけに、自治体が如何に自らの地を企業にアピールできるかは将来的な生き残りにもつながる重要な項目になるでしょう。
さて、この他の不交付団体を見ると、和木町のように大手企業の進出が果たされた自治体がやはり多数を占めています。
自動車関連で言えばトヨタ自動車や三菱自動車工業の関連企業が多い愛知県の市町村は多くが不交付団体ですし、愛知県そのものも東京都とともに都道府県ではふたつだけの不交付団体です。
マツダが本社を構える府中町は広島県で唯一の不交付団体。
日産自動車は本社は東京の銀座ですが、栃木工場がある栃木県の上三川町、九州工場がある福岡県の苅田町がともに不交付団体です。
本田技研工業の関連では製作所がある埼玉県・狭山市、三重県・鈴鹿市、栃木県・真岡市、熊本県・大津町が不交付団体。
特に大津町は県内唯一の不交付団体ですし、町の公式サイトに本田技研工業の広告バナーが置かれているなど深いつながりを感じさせます。
なお、同社製作所がある中では唯一、静岡県・浜松市のみが交付団体となっていますが、公共工事などが要因となって余り財政事情は良くないようです。
さて、このように自動車などの工場や製作所といった企業誘致によって財政が潤っている自治体がある一方で、別のものを誘致して財政が潤っているところも全国には多数あります。

北海道で唯一の不交付団体である泊村をはじめ、青森県の六ヶ所村や東通村、宮城県・女川町、福島県では大熊町などの4町村。
日本海側では新潟県の刈羽村や聖籠町、福井県の敦賀市とおおい町。
九州に入ると、佐賀県・玄海町、宮崎県・木城町といった自治体です。
これらは発電所を有しており、原子力や火力、水力発電所を抱えていることから国からの「電源地域振興促進事業費補助金」をはじめ、電力会社からも含めて様々な形での予算支援が行なわれます。
これにより財政が潤い、不交付団体でいられるというものです。
ただし、今回の発表では石川県・志賀町と福井県・高浜町は、ともに町内に原子力発電所を有していますが、交付団体に転じてしまいました。
また、他にもいくつかの原子力発電所を抱える自治体が、交付団体に名を連ねています。
これまで原子力をはじめとして多くの発電施設を有する自治体を実際に訪れてきましたが、これら受け入れを決めた自治体があるから都市部をはじめ全国に安定した電気の供給が行なわれています。
各自治体の財政健全化に向けた努力は絶対に必要という前提の上で、やむを得ない事情などで発電所を擁する自治体の財政が悪化したのであれば、特に手厚い支援があって然るべきではないかという思いもしています。